「蒼生、この間の話」

「ああ、水沢奈乃香の件か。翔太、いろいろ調べてくれて助かった」

「そういえば、大変だったんだって? アタシも翔太から聞いてビックリしたんだけど」

「結局、水沢奈乃香の悩みというのは、そもそもなかったんだ。だから、いくら相手を探しても見つからなかった」

「じゃあ、青森佑二の存在は? あの悩みの書き込みも嘘?」

「ああ」

「えー!?」

 蒼生くんの返事を聞いて、ひな子が悲鳴のような声を上げた。

「水沢奈乃香の仲間が青森佑二を演じていたんだろう。まるで互いが想い合っているような相談をすれば、珍しがって目に止まるんじゃないかって考えたんだ」

「そうかー。じゃあアタシはそれにまんまと引っかかったってわけだ」

 ガックリと肩を落とすひな子の姿に、みんなが苦笑した。

「まーまー、ひなちゃん誰でも失敗はあるよー」

「……なんか、柚に言われるともっとへこむなー」

「えー、ひなちゃんひどい~」

「あはは」

 みんなの笑い声が屋上に響いた。