「蒼生どうかしたのか? ここ最近様子が変だし」

「うん……」

「……」

「……」

「……安達、蒼生のこと頼むな。安達もこの間のみたいなことがあったら大変だから、何かあったらすぐ連絡しろよ」

「翔太……」

 少しの沈黙の後、翔太は何かを察したように、そう言った。

「うん、そうだよ。誰かしらがすぐ駆けつけられるように、みんなにも話しておくから」

「ひな子……」

『どうせ私なんていなくたって』

 なんでそんなことを思ってしまっていたのか。

 ここには……SSFには、蒼生くんも私も、帰る場所が、仲間がいるのに……。

 そんなふうに考えて胸が痛くなった。

「翔太、ひな子、ありがと。ちょっと行ってくる」

「うん」

「ああ、蒼生のことよろしくな」

「うん!」

 私は急いで学校を出た。

 蒼生くんともう一度話して、しっかり治療をしてもらいたい。

 私が蒼生くんを守らなきゃいけないんだ。