「余命宣告された時、今までの罰が当たったんだって思った。いろんな悪さをしてきて、その罰が当たった。それさえも親のせいにする、こんな俺に罰が当たったんだって」

「蒼生くん……」

「もういいや。生きていても意味がない。そう思った時、新菜の姿を見つけたんだ。俺の撮った写真のポスターの前で何時間も見つめる新菜の姿」

 あの時……。

「神様はまだ俺を見捨ててなんていない。そう思った」

 あの時、私も何もかもすべてが嫌だった。

 見た目を変えても何も変わらない。家でも学校でも私の場所なんてなかった。
 このままどこかへ行ってしまいたい。そう思って電車に揺られ、あのポスターを見つけなければ、私はあのまま線路に……。

「夢中で新菜を探したんだ。そして、考えた。残された時間を誰かのために使おう。俺と同じように何かで苦しんでいる人の悩みを解決することは出来ないか……そう思った」

「……」

『残された時間を』