「罰が当たったんだ」
「え?」
「今までの話は本当だよ。親のせいにして悪さをしてきたことは」
「……」
「……足に出来たホクロがメラノーマっていう皮膚がんだって言われたんだ。そのホクロの存在をどれくらい前に気付いたのかも忘れてたんだけどさ、病院に行った時には、もう遅かったんだ」
淡々と話し出した蒼生くんの言葉を、1つ1つ飲み込んでいく。
「メラノーマって悪性黒色種っていう皮膚がんで『ほくろのがん』って言われてるんだけど、進行が早いのも特徴らしくて……」
「蒼生くん!」
私は無意識に叫んでいた。
信じたくないという思いが、ぼろぼろと剥がれていく。
「……お願い。治療をして」
「……」
蒼生くんの顔が一瞬険しくなった。