「うちの勝手な両親の話はみんな知ってると思う。だから俺が変な道に逸れた時もなんともなかった。親は俺に無関心なんだ」
「……」
話し出した蒼生くんの言葉に、みんなは無言だった。
「親父はどこで何してるかわかんないから、母親がその負担を1人で負うのが嫌だったんだろ。だから俺を家に閉じ込めるようになった。わけわかんねぇ男たちに見張らせて」
「閉じ込めるって……」
「親でもそれは犯罪だろ」
「まぁ、それでも俺はこんなだから勝手になんでもしてきた。家も出て一人暮らしも始めて、この学校に編入するのも俺が勝手に決めたことだ」
「親なしでそんなこと勝手に出来たのか?」
「母親の弟が、俺の叔父さんが親代わりでいろいろ手続きしてくれたんだ」
「そうか……」
「でも、母親は俺が学校に編入することも認めなかった。学校なんかに行ったらまた悪さすると思ったんだろう。だから昨日みたいに力づくで俺を連れ戻しに来たんだ」
「……どんな親だよ……」
翔太がボソッと言った。