翌日、SSFのみんながいつもの屋上に集まっていた。

 私のメールに心配した様子のみんなの姿。

「警察に電話した方がいいんじゃない?」

 そう言ったのは柚だった。

 警察……その言葉だけで、何か大事(おおごと)になってしまった気がした。

「でも、安達の話じゃ、蒼生は『大丈夫』って言ったんだろ?」

「うん、そうハッキリ言ってた」

「じゃあ、蒼生からの連絡を待った方がいいだろ」

「でもさ、蒼生の昔のことがあるんだ。何か悪いことでも起こってからじゃ取り返しがつかないよ」

 ひな子が言う昔のことって、蒼生くんが“悪さをしていた”ってことだろう。どんなに大変なことをしていたのかなんて予想も出来ないけど、警察沙汰になったことがあるってくらいだから……。

「……あ……」

「新菜どうしたの?」

 ふと、あの時のことを思い出した。

「この間、翔太から電話をもらった時、私が変な男たちに絡まれて……」

「ああ、覚えてるよ。いきなり電話の向こうで安達の叫び声が聞こえて」

「うん。あの時の男たちが蒼生くんと関係あるのかもしれない。なんだかすごく蒼生くんに恨みもっているみたいだったし……」

「え、じゃあ、やっぱり警察に連絡した方がいいんじゃない!?」

「そうだな……」