「……安達、蒼生の家知ってるなら行ってみてくれないか」

「えっ!?」

 翔太の突然の言葉に振り向いた。

「やっぱり知ってるんだ」

「……」

「新菜、知ってるなら行って来てよ!」

「あ……」

「うん、ここは新菜ちゃんに任せるしかないよねぇ」

「ちょっと柚まで……」

「新菜、よろしく!」

「……」

 ひな子も柚も……私はまだ何も言ってないのに……。

「だって、新菜ちゃんも蒼生くんのこと心配でしょ?」

「……」

 心なしか、私を見つめるみんなの顔が、ニヤニヤしているように思えた。

 私がどうしてSSFを辞めたいって言っているかなんて、みんなは知らないから仕方ないけど、あの様子はあきらかにわざとな気がする。

 みんなして私と蒼生くんを会わそうとしているんだ。