「でも、アタシもいけないんだよね」

「ひな子？」

「アタシはさ、何やっても飽き性っていうか……あ、SSFが飽きたっていうんじゃないんだよ。でも、何かあるとすぐ意見したくなっちゃって、口を出しちゃうの。だから部活でもなんでも長続きしないんだ」

「そっか」

「うん、自分でもいけないって、わかっているんだけどね……つい熱が入っちゃって」

「ひな子、それを理解して、自分でそうやって言えることが、すごいと思うよ」

「新菜……」

　誰でも欠点はあって。それをこうやって自分自身で理解出来ているってすごいことだと思う。そしてそれを、こうやって口にできること。

自分を変えるなんて難しいことだけど、改善していこうと努力する姿。

「……」

　私は……いつも逃げてばかりだ……。

　本当はこのSSFが無くなってしまうなんて考えるのは怖い。

　でも、たとえ嘘でも蒼生くんの彼女という立場がなくなるのは嫌だと思った。

　それは、自分が嫌がらせを受けたとしても。

　そして、蒼生くんの気持ちを知るのも怖い……あの彼女は誰なの？って聞くことも出来ずに……。