月曜の朝の教室はいつもに増して賑やかに感じる。

 土日の話で盛り上がるのか、2日間会わなかった友達と楽しそうに話す生徒たちの姿を見つめながら、ひな子と廊下で話していた。

「でもさ、アタシも蒼生のあのスピードにはついていけないっていうかさ」

「え? スピード?」

「SSFのミッションのこと。早く次のターゲットを見つけようって」

「ああ、そうだね……」

 そうか……水沢奈乃香のことはまだ誰にも話してないんだよね。きっと、みんなはまだ保留になっていて、水沢奈乃香のミッションもこれから進めていくと思ってるんだ。

「わかるんだよ。罪滅ぼしのために人助けしたいって蒼生の気持ちは。でも、このSSFの存在がバレて活動できなくなったら意味がないと思うんだよね。それでなくてもさ、吉岡先生がSSFのことを誰にも話してないことが奇跡みたいなもんだし。なんで蒼生はあんなに焦ったように言うんだろう」

「うん、そうだよね。蒼生くんにも考えがあるんだろうけど」

 そうか、ひな子は私がSSFを辞めたい理由が自分と同じで、人助けというミッションが早すぎると思っているんだ。

「……」