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頭がいっぱいになっていた。
蒼生くんへの想い、SSFのこと、水沢奈乃香のこと。
すべてが今までのように上手くいくという結果には繋がらない気がして、このネガティブな思いを消したいと思った。
いつもは家にいることが嫌だった土日の休日が、この時は私の平常心を取り戻してくれた。
その間もひな子や柚から何度も連絡はきていたけど、あの時のことは話せなかった。
私はSSFを辞めたいと思っていることをみんなは心配しているけど、ひな子も、あれ以来SSFの活動について考えたいと思っていたということだった。
「ひな子……ごめんね、突然あんなこと連絡して」
「びっくりしたよ。それよりもさ、この間の階段から落ちたとこはもう大丈夫なの? 痛みとかさ」
「うん、ありがと。それが驚くくらい元気だよ」
「それならよかったー。柚もまだあの件以来元気が戻ってないし、新菜に何かあったら、アタシの心臓が持たないよ」
「あはは、そうだよね。ごめん」