目を覚ました時、そこは保健室のベッドの上だった。
ぼんやりとした意識の中、遠くに生徒たちの声が聞こえた。
あ……部活してるんだ。そんなふうに自然に思ったのは聞き覚えのある野球部の声かけだった。
一瞬何がどうなってしまったのか分からなくて……色んな記憶をたぐり寄せる。
「安達さん大丈夫?」
覗き込んだのは保健の先生だった。
「あ……はい」
「よかった。安達さんが倒れているのを生徒が見つけて知らせてくれたのよ」
「……倒れているのを……」
少しずつ思い出す記憶。
「……」
「新菜! 大丈夫!?」
「ひな子……」
重い頭を少し上げると、先生の後ろにはSSFのメンバーが揃っていた。
「みんな……」
こっそり帰ろうとしていたから罰が当たったのかな……。
そんなふうに思いながらゆっくり体を起こした。