「ここに来たってことは、手紙を読んだってことだな」

「えっ……じゃあ、あの手紙……」

 どういうこと?

 月城くん転入してきたばかりなのに、なんで……。
 なんで私に、こんな手紙を……。

「何がなんだかわからないって顔だな」

「あ……」

 そういうと月城くんはまたニヤリと笑った。

「簡潔に言う。生徒の悩みを解決する手助けをしてほしい」

「は!?」

カシャッ!

「え?」

 突然のシャッター音。見ると月城くんはスマホを私に向けていた。

 何? 今、なんて言った?

 突然スマホを向けられ、今言われた言葉を理解する余裕さえなかった。

「今……写真撮った!?」

「ああ」

「『ああ』って……。私、写真撮られるの嫌いなんだけど」

「ぷっ……」

 な……なんで、笑ってんの!?
 いちいちムカつくんですけど。

 この時の月城くんの言葉も行動も、私には理解不能なことばかりだった。

 私の慌てる様子なんて関係ないように、月城くんは私にスマホを向け、写真を撮り続けた。