『放課後、屋上へ』 

 SSFのメンバーに送られてきたメッセージに私は既読を付けずに、急いで学校を出ようとしていた。

 SSFをもう続けられない。その理由をなんて話したらいいのか分からなくて。

 蒼生くんへのこの想いに気付いてしまったら、もう今までのようには出来ない。

 私はみんなの前からに逃げ出したかった。

 いつもこう、恐れていることから逃げ出したいって思う。結局、こんな髪色にして派手に見せたって中身は変わらない。生意気なこと言ったって、強くなんてなれやしないんだ。

 自分の気持ちも伝えられず、こうやって逃げ出して……。

「!」

 急いで下駄箱へ向かうため階段を駆け下りていた、その時だった。

 突然、目の前がグラつき、手にしていたカバンが宙を舞った――。