「なんだ? 吉岡先生は何言って……あっ!」
「柚!!」
柚は突然ドアを飛び出して行った。その勢いに、後を追うようにひな子も、陸くんもドアの外へ押し出された。
「吉岡先生!」
「柚!」
今まで強気で話していた吉岡先生が、柚の姿を見て顔つきが変わった。
「先生……もういいよ……。もう嘘つかなくていいよ」
「柚……」
翔太はみんなが吉岡先生の前に出てしまったことに大きくため息をつくと、渋々といったようにドアの外に出た。その後に私も続いた。吉岡先生を囲むようにみんなが立つと先生は苦笑した。
「……SSFというのは、クラス委員長の集まりだったのか」
「先生……」
「柚……君も仲間だったのか」
柚は小さく頷いた。
「先生……先生のことはわかったから。もう嘘なんてつかないで。もしそれが病気というなら早く治して」
「柚……」
「先生がどんなに嘘をついていたとしても、今までの優しさは、先生の本当の優しさと信じたい」