『吉岡先生、あなたのことをすべて調べたと言いましたよね。あなたに送ったメールの女性たちの話は、あなたにとったら何の意味もなさない。それくらいにしか思っていないでしょう? だからまだ、そんな余裕な嘘がつける』
まだ?
蒼生くんの言葉にみんなの視線が集まった。柚の顔が心なしか上を向いたのを私は見逃さなかった。
蒼生くんは一度マイクの音を切ると、柚の方を向き「柚、ごめん」と一言いった。
そして再び画面を見つめ、マイクをONにした。
『あなたのしたことは犯罪なんです。吉岡先生』
「まだそんなこと言ってるのか!? 生徒が教師にそんなことを言って済むと思うなよ!」
『あなたは教師なんかじゃないんだ。吉岡さん』
「!」
え!? 教師なんかじゃないって……。
SSFメンバーみんなも驚き、視線が蒼生くんへ集まった。蒼生くんの言葉に柚がゆっくりとこちらへ近づいて来た。
画面に映る吉岡先生はうつむき口を押えたままじっと動かなくなっていた。