夕暮れが校舎を覆う午後6時。
校庭から聞こえる部活の生徒の声を遠くに、私たちSSFメンバーは音楽室に集まっていた。
大半の生徒はもう帰宅し、残っているのは運動部の生徒たちだけだった。
校内には職員室にいる数人の先生と、1階にある美術室にいる美術部の生徒がこれから帰るところだと、校内を見回っている陸くんから連絡があった。
今回のミッションに音楽室を選んだのは、音楽室が教室や職員室から離れている場所にあることと、吸音対策がしっかりされて防音効果もバッチリだからと、蒼生くんは言っていた。
「本当に吉岡先生は来るかな?」
「そうだな。なにか感じ取って来ないかもしれないよな」
音楽準備室にある時計を見つめ翔太とひな子は言った。その後ろでうつむく柚は、この数日ですごく痩せてしまった気がする。それでなくても小さくて可愛い感じだったのに、みんなから心配されるほど見てわかるくらい憔悴していた。
今日のことを柚は来なくていいと言ったけど、見た目とは違く柚は強気で「本当のことを知りたい」と言った。