「どうして、こんな数の女生徒に手を出していて、今まで明るみにならなかったのか調べたんだ。ほとんどの女生徒は吉岡に悪い印象を持っていなかった」
「意味がわかんないな。こんな数の女性とつきあっていたら、二股どころの話じゃないだろ。それなのに悪い印象をもっていないなんて」
いつも無言の陸くんが言葉を追いかけるように早口になる。それは陸くんにとっても衝撃なことだったということなのかもしれない。
「俺も何がそうさせるのか原因がわからなくて調べたんだ。もしかすると吉岡は『虚言症』という病気かもしれない」
「虚言症!?」
「意識的に、あるいは空想的に嘘をついてしまう病気だそうだ。そういう人は自分が嘘をついているという自覚が薄く、悪気がない。そしてその嘘を嘘で固めようとするから嘘が上手い」
「なにそれ……そんな人がいるの? だからって、生徒に手を出していいわけなんかない!」
「ひな子……」
「どうしたら……このままじゃ、柚が……」