「蒼生どういうことだ?」
「そうだよ。新しいターゲットが見つかったら、すぐアタシたちが調べることになってるのに」
「みんなに何も言わなかったことは悪いと思ってる」
「蒼生くん……」
「このSSFの仲間だからこそ、何も言えなかった」
「蒼生、それはどういうことなんだ?」
「これを」
蒼生くんは1枚の紙をみんなに見せた。
それは、SSFへの書き込みだった。
差出人は19歳の女子大生。今は北海道の学校に通っているが、そのメッセージを読んでみると、詳しい名前は隠されているもののよく考えてみるとうちの学校の卒業生とわかる内容だった。
在学中にその学校の教師と親密な関係になったが、自分は弄ばれていた。先生の言っていたこと、話はすべて嘘で、卒業が近くなると手の平を返すように冷たくなった。忘れようと離れると、なにもなかったように近寄ってくる。そんなことを繰り返し、心が不安定になっていく自分がいた。近くにいては自分が壊れてしまう。そう思い、遠い学校へ行くことを決めた。