指に鋭い痛みが走り、持っていた靴を落とした。見ると靴にはたくさんの画鋲が刺さり、靴の中には何かたくさんの刃物の刃がむき出しで入っていた。

「なんだ、これ!? 新菜大丈夫か!?」

 蒼生くんは慌てて私の手を掴むと、タオルで指を押さえた。少しずつタオルに血が染みていく。赤い血を見ていると、じんわりと痛みが増していった。

「……これ……」

 私は下駄箱に入っていた手紙を蒼生くんに見せた。

「……」

 そこには、書き殴るように一言『死ね』と書かれていた。

「……なんだ、こんなガキみたいな嫌がらせは……!」

「……」

 これが蒼生くんのファンからの嫌がらせで、いつものような文句をただ書くだけのものではないと、見てすぐ分かった。

 ずっと続いていた『安達新菜、死ね』という手紙と、きっと同一人物がやったんだ……。

「……」

 悪質すぎる……。