「蒼生、そんなに焦らなくても……」
「いや、駄目なんだ」
蒼生くん? 何をそんなに焦っているの?
「アタシは嫌だね!」
「ちょっと、ひなちゃん! そんなこと言わないでよ」
「こんなにすぐ進めることに、アタシは反対だね!」
「ちょっと! 待ってよ、ひなちゃん!」
ひな子はそう言い切ると、早足で屋上から出て行った。柚も慌てるようにその後を追っていく。
「……蒼生くん! いいの!?」
「……」
「俺も笠原の意見には賛成だ」
「翔太……」
「こんなに頻繁に事を起こしたら、絶対どこかからバレるのは時間の問題だ。少し時間を置いた方がいい」
「……」
「でも、その間にも慎重に次のターゲットは見つけておくよ」
ポンと蒼生くんの方に手を乗せた翔太は、そのまま屋上を後にした。残された私と蒼生くんと陸くん。言葉に繋がらず沈黙が続く。
どうして蒼生くんはこんなにも焦るように……そう聞こうと蒼生くんを見つめた。
「SSFも仲たがいだな」
先に言葉を発したのは陸くんだった。
「月城はSSFって名前の意味を「みんなが個性的な存在」って教えてくれただろ。このメンバーがそれを一番感じてるんだ。みんなを縛ることは出来ない。それをまとめるリーダーなら、焦りは禁物だと思う」
「……」
「……」
陸くん……。