「慎重に?」

「うん。誰にもバレずにここまでミッションが成功してるって言っても、このSNSの書き込みの数を見て、誰がやっているのかって面白がって調べる人も出でくると思う」

「そこらへんのターゲットの厳選は慎重にしているはずだし、サイトから割り出されないようにシステム組んでいるのは、翔太とひな子2人だ。その自信はあるんだろ?」

「そうだけど! どこからバレるか分からないから、こんなに頻繁に進めなくてもいいんじゃないかって、アタシは思ってる」

 あまり見ない、ひな子の荒々しい言い方にイラ立っている様子が分かる。蒼生くんとこんなふうに言い合うなんて、今までなかった……。

 それはきっと、さっきの話が原因かもしれない。

 蒼生くんの罪を償うための人助け。でも、みんなはもうそんなことしなくても十分罪は償ったんじゃないかって思っているはず。

「……それは、駄目だ」

 ひな子の言葉に否定をする蒼生くんの顔は、昨日のような優しい顔ではなかった。

「次のターゲットを今週までに見つける」

「……蒼生くん」