心がちぎられそうだった。

 みんな、みんな、それぞれ悩みは抱えてる。

 でも、同じ思いを抱えている人がこんな近くにいるなんて……。

「……」

 蒼生くんはそっと私の背中に手を回した。

 小さくきゅっと力が増す。

「だから」

「え?」

 耳元で蒼生くんの声が聞こえた。

「だから、新菜に力を貸してほしかったんだ」

「蒼生くん……」

『だから』? 蒼生くんは私も同じ悩みを抱えてるって分かっていたの?