「俺の撮った写真をこんなにずっと眺めているなんて、あの子は誰だろう?て思った。制服に覚えがあったから、すぐに新菜を探し出した」
「……」
蒼生くんが私を……?
「じゃあ、うちの学校に編入してきたことも、SSFに私を入れたことも……」
「ああ、全部、俺の計画通り」
「そっか……」
偶然じゃなかったんだ。
なんだろう、この切ない感じは……。
蒼生くんが私を見つけるために探してくれていたことも、私に会うためにうちの学校に来たことも、嬉しいはずなのに……。
「なんで私だったの?」
「……前に話しただろ。うちの両親のこと」
「あ、うん。お父さんはカメラマンで、お母さんは編集者だって」
「そう。親父はカメラに夢中で世界を飛び回っていた。カメラマンとしては優秀だったらしいけど、それが結婚となると母親は不満が募ったらしい」
「……」
「母親も編集者としてバリバリ働いていたから、2人に生活のズレが出て、離婚。母親は俺を育てるためにって仕事に夢中になって編集長にまでなったけど、家に帰ってくるのも遅かったり、人の親って感じじゃなかった」
「……」
私と一緒だ……。
だから蒼生くんを見ていると、なにか大きな悩みがあるんじゃないかって、いつも感じていたんだ。