「ひなちゃん、だから言ったじゃなーい。新菜ちゃん今日遅刻だよって。それなのに何度も教室見に行ってるんだもーん」
「あー、そうなんだ。ひな子ずっと探してくれてたんだね。ごめんね」
私はひな子に向かって謝ると「ぜんぜん」というように手を振った。
この甘ったるい話し方をするのは、2年D組のクラス委員長、北村 柚。
柚の家は超お金持ちで、自宅近くでは地主と言われるくらいの資産家らしい。祖父の代からいろんな会社を経営していて、父親がそれをさらに拡大しているという、本気のお金持ちのお嬢様だ。何不自由なく育ったって感じ。
こんなぶりっ子みたいな話し方をするわりに、頭も良くて、ハキハキ物を言うタイプ。
とっても小柄で、ふわふわクセ毛のロングの髪が可愛く見えるけど、なかなか毒舌だったりするのが、ギャップがあって面白いところ。
そして、私が2年A組のクラス委員長。
蒼生くんは私と同じクラス。
そして、蒼生くんの彼女。
もう1人……2年E組のクラス委員長がいるんだけど……。