「うわ!コーラ!お菓子もめっちゃいっぱいじゃん!」

「ごめん、好きなものとかわかんなくて」

「うっっっれしいいいい、ありがとう蘭、うわーうれしい」

「うっ、えっと、…1085円だった」

「照れ隠しに値段言うのやめろ?」




「…夕方に外に出たの、久しぶり」

「梅雨も完全に開けて来たしなぁ。すっげーオレンジでさ、いいよな」

「……やっぱ、私にはちょっと眩しいかも」

「オレンジって結構目に来る。俺も眩しい、いつも。だから大丈夫だ、みんなだよそりゃ」

「そっか、……みんなかぁ」



「なあ。また、会いたくなったら電話してもいい?」

「しつこかったら着拒する」

「ははっ、容赦ねー」






まだ日が暮れない時間に見た眩しすぎるほどのオレンジが、私の日常に加わった。