掠れる声だった。綺がどんな顔をしているかわからないから余計にドキドキしてしまう。
当たり前にともに夜を越える仲間になっていたこと。綺のおかげで私はこの1か月満たされていたんだなぁと実感し、感情があふれる。
本当は当日に言いたかった。だけどきみが突然来なくなったから、言えずじまいだった。冷蔵庫の中には、あの日真夜中さんにお会計をしてもらった600mlのコーラ缶がしまわれている。
《…おー?ありがと、はーず》
「プレゼントも、買ってた」
《うえぇまじか?サプライズじゃんね》
「…うん、でも、もう夜は来れないんだ、…よね。綺」
《あー、まあ、そうな。俺のスキルが上がれば窓から脱出とか》
「ばかじゃん。しなくていいよ。死ぬよ綺」
本当、ばかだ。冗談に決まってるのに、綺は本当にやっちゃいそうな口調で言うから怖い。