「でもお客さんは、すぐ覚えました。なんか、独特だったんで」
「え…そうなんですか」
「いつもアイスひとつ持ってレジに来てポケットから出した500円で支払う未成年訳ありJK」
「え」
「え、ちがいます?おれにはそう見えてましたけど」
すごい、全部正解だ。私ってそんなにわかりやすいオーラが出ているんだろうか。
不登校で、太陽の光が苦手なんです。深夜に会うだけのコンビニ店員だし、と開き直って正直にそういえば、「そうなんすね」と感情の読み取れない言葉で言った。
訳ありJK。
かわいく柔らかい言い方で収まるような私ではない。
友達に裏切られて不登校で、社会不適合。毎日の深夜徘徊。言ってしまえば、ただのわがままな不良女だ。日々、フツウからかけ離れていく自分が、情けなくて惨めだった。
けれど、そんな私に、店員さんは思いがけぬ言葉を落とした。
「でもなんか、ちょっと羨ましいっす。お客さんのこと」