「俺さ、中学の時 天文部だったんだけどさ」

「…だった?」

「そう。辞めた、合わなかったから」



サラリと言いのけた綺。あまりそのことを重く考えていないようなトーンだったので、「そうなんだ、」と短く返す。


「私あんまりよくわかんないんだけどさ、天文部って星を見る部活なの?」

「そう!そこなんだよ!」

「うわ びっくりした怖」


大きくなった声にビクッと肩を揺らす。急にそんな声出さないでほしいんだけど、と思いながら、綺がやけに食い気味にだったので耳を傾けることにした。



「よく気付いたな名生蘭、天才の称号を与えてもいいぜ」

「はぁ?」

「天文部は星を見る部活ってな。俺もそう思ってた、てかそうであって欲しかった。俺の目的はそれでしか無かったんだよ、本当に」