「どんな感じにったって、好きなもんは好きだから他にどう表現していいかわかんねー…」



ぽつり、冷たい空気に綺の声が落ちる。小さな声量だったけれど、夜に響かせるには十分だった。



「……まあ、しいて言うなら?強いて言うなら、笑っててほしいし、苦しい時は頼ってほしいし、俺が知ってるすげー星空いっぱい見せたいって思うかな。気付いたら、蘭のことばっか考えてる」

「……え、っと」

「でもそれ、俺は、ってだけの話じゃん。恋にもいろんな形があるしなぁ。その人の幸せを願う人もいるし、自分が幸せにしてあげたいって思う人もいてさ、人それぞれだと思うんだよな。俺は、蘭以外の誰といても、蘭だったらこう言うよなとか、蘭だったらこういう風に動くよなとか、全部蘭に置き換えて考えちゃうんだよ」

「……」

「なんか、……相当好きなんだよなぁって、自分のことなのに他人事みたいに思ってる。付き合うとか付き合わないとか、そんなんあんま重要じゃなくてさ、……なんつーのかなぁ、」




綺はいつだって真っすぐすぎる。



「好きなんだよ、蘭のこと。やっぱそれ以外の言い方がない、ウケる」