「にっちゃんー?」
友達の声は右から左へと流れていく。震える手でメールを開いた。どくんどくん、心臓がざわめいている。こんなにも早く脈を打つ感覚は、きっと後にも先にも今だけなような気もした。
【突然の連絡でごめん。これが最後の連絡にします】
そこにあった長い文章を、一字一字逃さないように丁寧に追っていく。
正しく息をしていたかすら定かではなかった。その間、友達がわたしになんて声を掛けていたかも分からない。
「にっちゃん?」
「……っ、」
「え……な、なんで泣いてるの、待ってどうしたのにっちゃん」
数分かけてメールの文章を読み終えたわたしは、泣いていた。次から次へと溢れる涙を、友達が慌ててティッシュで拭ってくれる。
優しい人が、そばに居てくれたことに心から感謝した。