季節は移ろい、紅葉が咲き誇る10月上旬になった。今日は日曜日で、私はというと、18時過ぎまで杏未と一緒に図書館にいた。


図書館は良い建物だと思う。開館時間は早いし、年中無休。いつ訪れても快適な気温で過ごせる。学生のテスト期間でなければ人はそう多くない。

夏までは週に1度の杏未とカフェや喫茶店に行ったり、一緒にでかけたりしていたけれど、しがない高校生と不登校少女が週に何度もおいしいものを食べれるほど金銭的に余裕があるわけもなく、文化祭が開けたあたりからは図書館で週に2度、会うようになった。

お金がかからないという意味でも、図書館は学生に優しい場所だった。



杏未と別れ、その足で公園に向かった。言わずもがな、綺と会うためだ。


夏とは打って変わり、日が落ちるのが早くなった。17時でも辺りは薄暗くなっていて、18時にもなればあっという間に夜が来る。


今日もぼんやりとベンチに座り、たわいない話をしながら星を眺める時間が来るのだとばかり思っていたから、19時過ぎに公園にやってきた綺が、どことなく元気がなくて私は少し動揺していた。