「なんかあの、あれだな、そのー…」
「……」
「デートみたい、だ」
ボンッ。自分の中の何かが爆発してしまったような気がする。頬が熱を帯びている。綺と目を合わせることができない。
今、自分がどんな顔をしているかなんて、想像したらもうひと爆発してしまいそうだ。
ちらり、隣にいる杏未に目を向けると、彼女も恥ずかしそうに頬を染めていた。見ているこっちが恥ずかしい、というアレだと思う。そんな杏未を見て、さらに恥ずかしさが募った。
「いやー…制服良いよなぁ……うぁー…」
「も、もういいってば」
「なんかほら、他校の彼女連れて歩いてる気分だなこれ。まあ厳密には俺の淡く切ない片想いだけど。全世界に自慢しながら歩きたい、皆さんこれが名生蘭です拙者の好きな人でござりんちょふ」
「大変だよ蘭ちゃん!蘭ちゃんがかわいすぎて日之出くんがオタクになってる!」