「ぎゃあああぁ蘭ちゃっ、らん、ま、待って待って待って怖っ……あぁあああああ!なんかいる!いた!!」

「みんなこの学校の生徒だよ大丈夫大丈夫」

「大丈夫じゃないてぇ!ちょちょちょそんなスタスタ行かないで!?」

「はいもうすぐ出口」

「蘭ちゃんの鬼──────!!!!!!」



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杏未がチュリトスを食べ終えた頃、私たちはようやく綺のクラスでやっているお化け屋敷にたどり着いた。

受付にいた比較的フレンドリーそうな男子生徒に「日之出綺って居ますか?」と聞いてみたところ、「今、ちょっと買い出し行ってもらっててまだ帰ってきてないんだよねー」と言われたのだ。

「たぶんそろそろかえってくるとおもうけど!」と言われたので、せっかくだし杏未と一緒にお化け屋敷を体験して待つことにした、わけなんだけど。



怖がりな杏未に服をこれでもかってほど掴まれて、出る頃には私の服はよれよれになっていた。

私も決してお化けや人工的な暗闇が得意なわけではないけれど、杏未があまりにも怖がるものだからそれにばかり圧倒されてしまって、お化けに驚く暇がなかった。