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「うーん、日之出くんどこだろうねぇ」
「お化け屋敷やってるクラスって言ってたけど……」
「てことはあれかな。今仕事中で忙しいとかかも」
綺の学校は、制服がかわいくて女子人気が高い、県内じゃわりと有名な高校だった。文化祭の規模が大きく、外部からの来客者が多いらしい。実際に今、校内を歩いてみて、人の多さにギョッとした。
以前は大人数で遊ぶことも人混みも全然平気だったのに、最近じゃめっきり苦手になってしまった。人と会う機会が減れば減るほど耐性が弱くなる。
杏未が一緒に来てくれなかったら、私はひとりでこんなところには来れなかったと思う。
人混みの中、4階まである校内で綺と遭遇するのはかなり難易度が高い。着いてから綺に電話はしたけれど、出てくれなかった。純粋にスマホを見れていないのだと思う。杏未のいうように、仕事中なのかもしれない。
「お化け屋敷、3階だって。とりあえず、気になる模擬店回りながら向かお!時間はたっぷりあるし」
「そうだね」
綺と連絡がつかないんじゃ、焦ってもしかたがない。杏未の言葉に同意して、もらったパンフレットを参考に、私たちは校内をまわることにした。