*
「さて蘭、今日は何があった」
公園で落ち合って、そのまま流れるようにコンビニに来て、アイスを買った。
私が元気がないことをすぐに察した綺は、夏季限定商品であるスイカバーを前歯でかじりながら問うた。
察しの良さは相変わらずで、思わず笑えてしまうほど。綺はよく私に「わかりやすい」と言うけれど、不登校になってから人と関わる機会が減った分、笑う機会も比例して減少したはずだった。
そんなにわかりやすいのだろうか。どこがどう、どんな風に人に伝わっているのだろうか。
マイやシホに突き放された時も、私は無意識のうちに何か感情を表に出してしまっていたのかもしれない。過去はもうどうすることもできないけれど、それでも自分のどうにもできない部分を見つめると落ち込んでしまう。
私はどうしていつもこんなにダメで───……
「っっっ…た、!」
「はい、勝手に想像して落ち込むの禁止でーす」