「学校はまだ行けないかもなんだけど、……でも昼間は、週に1回でも良いから杏未と会うことになった」

「うん、そっか」

「…うん」

「頑張った頑張った、えらいぜ蘭」



全てを話し終えると、綺はいつもしてくれるみたいに私の頭をぽん、と優しく撫でてそう言ってくれた。


夜と綺の組み合わせは、私にとって最強だ。静かで、穏やかで、とても優しい時間が流れる。



私の進んだ一歩は、私が思ってる以上に大きかった。私の世界は、前よりももっと大丈夫になる。保証はなかったけれど、綺はそう言って私の背中を押してくれた。



「…大丈夫に、なったのかな、私」

「なった。すげーよ、蘭は。すごいんだ、もっと自分を褒めていい」

「あや…」

「うん」

「わたし…、がんばった…っ?」

「うん、がんばった。頑張ったよ蘭」

「、そっか」

「うん、そーだよ」