やえは悪くない。天文部の部員も、それが本来あるべき天文部の在り方なのだから、俺がわがままなだけだった。誰も悪くないのに、何かのせいにしてしまいたくなる。


感情がごちゃ混ぜになって、無性に泣きたくなって。ひとり部屋にこもって、俺は泣いた。叫んだ。部屋中の物を投げて、感情に身を任せるままに暴れた。



俺のことを知っている人がひとりもいない世界で、穏やかに呼吸がしたかった。




それから、やえと顔を合わせなくなった。会ったら酷い言葉を履いてしまいそうな気がして、そんな自分を見つけたくなかったのだ。

部活はやめた。東の方に住んでいるばあちゃんの家は山の中に建っているから、そこに行けば、立派な望遠鏡や機械をつかって観察するよりずっとずっと綺麗に星空が見えるような気がした。