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「お待たせ好きな人。待った?」
「40分」
「そこは『今着いたとこ』って嘘つくと男ウケはかなり良いんだけど。可愛いし」
「なんで綺にかわいく嘘をつく必要があるんだろ?」
「たしかしたかし」
「なにそれ」
「確かに の進化系、ユーモア」
「ふうん」
「うはは、全然興味なさそう」
7月下旬───…夏休みがせまった夕方のこと。
すっかり夕方の公園で落ち合う機会が増えた私と綺は、ベンチに座って早々そんな会話をした。
白いワイシャツの袖を二捲りほどしたその腕には血管が浮き出ていている。
夏の日差しに屈することなく白い肌は健在していて、「日焼け止め塗ってんの?」と聞いたら「塗ってないよ」と返されたので、なんだかムカついて睨みを効かせると「なん?その顔」と軽く流された。