それから高見は変わっていった。
でも真冬にとっての高見という男は根本的に変わりなかった。
高見の機嫌が悪い時は部屋に入ってくるや否や身体中痣だらけになるほど殴られたり、突然押さえつけられて性器を喉奥まで突っ込まれたこともあった。
それでも高見は決して真冬を捨てようとはしなかった。
売りに出すこともしなかった。
酷く乱暴された後も、高見が帰るとスキンヘッドか刺青がやって来て、真冬の手当をして身体を綺麗にしてくれた。
甘党の刺青がコンビニで買ってきてくれた甘いものを一緒に食べる時間が、真冬にとって安らぎだった。
真冬にとって、高見という男は優しいひとだ。
彼に捨てられたら、この広い世界に真冬の居場所はなくなってしまうから。
真冬は泣きもしない、反抗もしない、ただ従順なペットだった。
そんな真冬が頼れる人は、ちっぽけな6畳の世界の中に高見しかいなかった。