その週の土曜日。バーベキューが行われた。
せめて十人くらいだと思っていた参加者は、二十人近くにも上っていた。陣内先輩の友人が主催していて、何人かがバラバラなコミュニティから色々な人を連れて来ているらしい。
当然だが、知らない人がたくさんいた。人見知りというほどでもないけれど、社交性が高いわけでもない私は目が回りそうになった。
そんな私を、陣内先輩がフォローしてくれた。元々優しい性格というのもあるし、私に声をかけたのは自分なのだから、という責任を感じているのかもしれない。おかげで、気の合いそうな女友達もできた。
「片山さん……だっけ? 久しぶり」
小渕さんも参加していた。当然のように裏表のなさそうな笑顔で話しかけてくる。
「お久しぶりです。小渕さん」
「あら。覚えててくれたんだ。嬉しい!」
「もちろんです!」
だって、好きな人の彼女ですから。
「どう? 楽しめてる?」
「はい。陣内さんに声をかけていただいたおかげです」
先輩に誘ってもらったことを強調して、私は言った。小さな反撃。……だったのだが。
「そう。よかった」
発した言葉以外の意味など何もないかのようにふわりと笑う小渕さんに、自分がどれだけ醜い存在であるかを突きつけられたみたいで、お腹がじわ、と痛んだ。
せめて十人くらいだと思っていた参加者は、二十人近くにも上っていた。陣内先輩の友人が主催していて、何人かがバラバラなコミュニティから色々な人を連れて来ているらしい。
当然だが、知らない人がたくさんいた。人見知りというほどでもないけれど、社交性が高いわけでもない私は目が回りそうになった。
そんな私を、陣内先輩がフォローしてくれた。元々優しい性格というのもあるし、私に声をかけたのは自分なのだから、という責任を感じているのかもしれない。おかげで、気の合いそうな女友達もできた。
「片山さん……だっけ? 久しぶり」
小渕さんも参加していた。当然のように裏表のなさそうな笑顔で話しかけてくる。
「お久しぶりです。小渕さん」
「あら。覚えててくれたんだ。嬉しい!」
「もちろんです!」
だって、好きな人の彼女ですから。
「どう? 楽しめてる?」
「はい。陣内さんに声をかけていただいたおかげです」
先輩に誘ってもらったことを強調して、私は言った。小さな反撃。……だったのだが。
「そう。よかった」
発した言葉以外の意味など何もないかのようにふわりと笑う小渕さんに、自分がどれだけ醜い存在であるかを突きつけられたみたいで、お腹がじわ、と痛んだ。