「おっ、うみの。二年に引き続き三年もよろしくな」


「ちょっと、松尾。私の名字は『海野』って書くけど『うみの』じゃなくて『あまの』だって何回言えばわかるのよ」


「わかってるよ、うみの」


「松尾……あんたね……」


「おっ」


 …………。


「よう、遥稀」


 ……松尾……。


「久しぶりだな、中学三年のとき以来だな」


「……うん……そうだね……」


「一年間よろしくな」


「……こちらこそ……よろしく……」


 ……松尾……。

 松尾聖志(さとし)……。あいつも小学校と中学校が同じ。

 ……そして……松尾は私が小学生の頃からずっとずっと…………。


 ……って……ん……?

 ……今……あいつ私のこと……『遥稀』って……。