「……昨日は……」


 ……‼


 ドキドキして顔が真っ赤になって困っているとき。

 松尾が口を開いた。


「昨日は悪かったな。なんか遥稀に気を遣わせたみたいになってしまって」


 松尾は申し訳なさそうにそう言った。


「……え……そ……そんなことないよ。私、本当に急いでいたから」


 ……噓。

 本当は噓。