するとマスターである直政の叔父さんが他の客との談笑を終えてやってきた。
「おぉ直政。一年ぶりだな。聞いたぞ、就職決まったんだってなぁ来てくれるとは思わなかったよ!……あんらま、友達? ゆっくりしてきな。」
叔父さんが注文を受けたカクテルを作るべく、後ろを向いたのを確認すると、直政はため息をついた。
「なぁ内浜、暇なんだったら今夜は俺のナンパに付き合ってよ!就職先、研修行ったら男ばっかりなんだよ……。」
「それ分かってて選んだんだろ……工具販売って、女少ないに決まってるし」
「だーかーら、そこしか内定出なかったんだって。どっかに素敵な女の子いないかなぁー……。」
既にさっき行った定食屋で俺たちはアルコールが入っていて饒舌になっている。お互い自虐をして、手元に渡されたカクテルをぐびっと飲んだ。