乾いたくちびるは君を絶対に忘れない
青春・恋愛
完
4
佐熊みのる/著
- 作品番号
- 1685855
- 最終更新
- 2023/01/15
- 総文字数
- 26,617
- ページ数
- 24ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 4
───『泣きながら麺をすすったことがある人は強くなれるよ』
唇が乾燥する季節は、その言葉を無性に思い出す。
一年前、私は忘れられない恋をした。
彼にもらった、形の崩れた口紅を私はお守りにしている。
ちゃんとあの人を忘れるまでの、願掛けだ。
これは、私、柊木まゆが大学受験に落ち、ある男に堕ちるまでの、
ひと冬の物語だ。───
受験生の高校生女子が、秘密を抱えた大学生の男に報われない恋をしてしまう、そんな切ない冬の恋物語です。
- あらすじ
- 高校三年生十二月。学内推薦選抜に漏れた柊木まゆは、突然一般受験に切り替えるよう先生に告げられる。枠から漏れた理由は「何かが足りなかった」とだけ先生に告げられた。友達はとっくに進路を決め、親には見放され、絶望して雪の降る繁華街を宛てもなく歩く。寂しくてどうしようもなかったとき、麺専門店でバイトする大学生の男ににゅうめんを奢ってもらう。その温かさに惹かれ、足りない何かを求めて、まゆは男に堕ちていく。
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