結局今年は、修学旅行も、文化祭も、合唱祭もないまま冬を迎えて。
「なんか、あんまり思い出なかったね」
つい、わたしがぼやいたら、君は不思議な顔して、
「そうかな?」って。
「だってそうでしょ」
わたし、未練がましく不満ばかりこぼしたのに。
そんなときまで君は笑ってた。
「おれは、思い出ばかりだよ」って。