「美耶って名前、猫の鳴き声みたいだなって、ずっと思ってたんだ。『ミヤ~』ってさ」

「……ぷっ。そんなこと、初めて言われました」

 私は律のその言葉に、笑いが止まらなくなった。

 律は決して大きく笑わない、そっと口角を上げ微笑む独特な笑い方。

 目が合ってずっと見つめ合う、鼓動。

 律の何とも言えないクールさに。

 何とも言えない雰囲気に。

 律のすべての優しさに……私はどんどん惹かれていった。