「律先輩、猫、好きなんですね」
「うん、実家にはいつも猫がいて、子供の頃から猫をきらしたことがないかな」
「あ、私もそうです! 母が猫好きで、小さいころから猫飼ってました。でも……猫サークルってもっとユルイ感じかと思ったら、今のビデオもだし、活動も地域猫とか保護猫とか本格的で、ちょっと場違い感……」
「いいんじゃない、好きって気持ちだけで。だけどさ、ああいうビデオ見るとちょっとね。好きが高じてっていうか……」
「……」
さっきのビデオを思い出したのか、声を詰まらせる律は、本当に優しい人なんだって感じた。