ずっと、ずっと抱えていた想い。

 私が素直になっていれば、律は今も私の隣にいてくれたんじゃないか。そう思うと前へ進むことも出来なかった。


 律は、いつも無表情で、気持ちが掴めなくて。

 でも、いつも、私を見つめ守ってくれていた。

 それは……

『おはよう』

 その声に、私は振り向いた。

「律!?」

「みや~」

 振り向いたその先にいた猫が、私を見つめ、鳴いた。