「はぁ……」

 いつ寝てしまったのかも、それすらも分からない。かけていたはずのアラームもいつの間にか消されていた。

 確認したスマホには、律からのメールも電話もないまま……それが昨日のことが現実だったということを思い出させた。

「……っ……」

 思い返して、また涙が溢れた。

 きっと律は怒っているんだ。だから、毎朝欠かさなかった「おはよう」のメールも今日はない。今頃はもう電車に乗っている時間だ。

 自分がいけないことも、私が律を傷つけたこともわかっている。

 思い返すだけで、涙は次々と溢れた。