街灯のあかりが、まぶしいくらいの駅前の風景。足早に通り過ぎる人々を何度も見送って、見つめた改札口。 やっと見慣れ始めたスーツ姿の律を見つけた。 その後ろ、髪の長いスーツ姿の美しい女性。伏し目がちに見つめる律の少しだけ口角が上がった笑顔。 「……」 その、不器用な笑顔を、私は見たかったんだ。 それを今、あなたは私じゃない人に向けるの?